ディープラーニングによって進化した人工知能はどこまで人間の代わりになり得るのか。あなたなら人工知能に何を求めますか?

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暮らし

将棋の藤井四段の快進撃が止まりませんね。近年、チェスや将棋、囲碁などの名人達が、ロボットにボコボコにされたというニュースが話題になっています。ロボットには人工知能AI:Artificial Intelligence)が搭載されていると。

人工知能って何?美味しいの?

人工知能の第3次ブーム中ナウ

先日の日経には、人工知能の大物研究者であるハレヴィ氏の話としてこんな記事が。

AI人材争奪 リクルートはグーグルの頭脳一本釣り :日本経済新聞

(中略)
長期の目標だと前置きし、「AIは将来、本人のやりたいことを本人より正確に理解する」と話した。例えとして旅行の計画づくりを挙げた。今は旅券と宿泊先を予約して終わり。将来は個人の家族構成、好きな食べ物、興味のある事柄など様々な情報をもとにAIが最適な観光プランをあらかじめ提案してくれる。

こんな需要があるかどうかは別にして、実は今、人工知能の第3次ブームが到来していて、関連技術の開発競争が熾烈なのです。第1次も第2次も聞いたことないし・・・という方が大半かもしれません。

でも、下記のような話なら聞いたことがありませんか?

  • 音声認識機能「Siri」の裏では人工知能が働いている!
  • 人工知能を搭載したコミュニケーションロボットがペットに!
  • 人工知能による車の無人・自動運転はすぐソコ!
  • 人工知能が書いた小説が審査を通過!
  • ホテルの受付は人工知能ロボットにお任せ!
  • 人事労務管理や採用選考は人工知能が担当!
  • 防犯監視システムの画像認識は人工知能の得意分野!
  • 人工知能で株価を予測、年率10%以上の運用実績!
  • 人工知能で最適治療!
  • 社会インフラや大規模システムの管理も人工知能にお任せ!

これらは第3次ブームのほんの一コマです。

人工知能によってこのようなことが実現できる世の中になりつつあります。その背景には、深層学習(ディープラーニング)という手法が開発され、人工知能が飛躍的に進化したという事実があります。

ロボット(に搭載された人工知能)が状況を把握し、判断し、適切な結果を出す。それだけではなく、自ら学習し、結果の精度を上げる。これまで人間にしかできなかったことが、ロボットでもできてしまうのです。

考えようによっては恐ろしいことです。あなたの仕事がロボットに奪われる可能性だってあるんですよ?コピーロボットとして私の代わりに仕事してくれるならウェルカムなのですが笑。

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近い将来、私たちの周りに人工知能搭載〇〇氏がどんどん増殖し、意識せずに人工知能に触れる、或いはこれまで人間がやっていたことがロボットに置き換わるという世界になっていくのは間違いありません。

今回は、理論や方法論などの小難しい話は抜きにして、「人工知能ってこんな感じ」という話をしたいと思います。ただし、私は仕事で人工知能の裏側に触れることがありますが、専門家ではありませんので悪しからず。

人工知能ってこんな感じ

人工知能を搭載していないロボット(機械・ソフトウェアなども含む)は、予め決められたルール通りに動きます

一方、人工知能を搭載したロボットは、自ら学習をして、ルールを作って、そのルール通りに動きます

例えば、クレジットカードの不正利用検知(極端に簡単にした例なので実際とは異なります)

人工知能がない場合、予め決められたルール(ある期間内、ある金額、ある回数・・・を決済)を逸脱すると、不正利用かもしれないと警告します。

人工知能がある場合、過去の利用履歴を学習し、金額や回数だけでなく、利用店、時間帯、商品までも考慮した方が良いと自ら考えて、新たなルールを設定し、それを逸脱すると不正利用の可能性が高いと警告します。

このように、不正利用の特徴(新たな知識)を自ら炙り出し、それを判断基準(ルール)に自ら設定して、不正利用の検知精度を上げることができるのが人工知能です。凄いですね。

この「判断基準(ルール)を自ら設定する」を実現するために必要な技術がディープラーニングなのですが、詳しくはググってください笑。

人工知能ブームの変遷

1956年に米国で開催されたダートマス会議で初めて人工知能という概念が提案されています。その際、以下の4つの目標が掲げられました。

  • 機械が言語を使うことができるようにする方法の探究
  • 機械上での抽象化と概念の形成
  • 今は人間にしか解けない問題を機械で解くこと
  • 機械が自分自身を改善する方法

その後、3回のブームが起きています。

第1次ブーム(1960年代~)

脳の動き(ニューロン)を模したモデルを開発。しかし単純な問題しか対応できずブームは終焉。

第2次ブーム(1980年代~)

ニューロンモデルを進化させ、文字認識や画像認識、簡単な対話などが可能になってきました。しかし、未だおもちゃレベル。面白いというだけでビジネスにならずブームは終焉。

第3次ブーム(2015年~)←今ココ

2000年代の機械学習ブームも相まって、ダートマス会議で言われていた「機械が自分自身を改善する」「人間にしか解けない問題を機械で解く」が現実味を帯びてきます。先に挙げた例以外にも、続々と実用的な人工知能搭載〇〇氏が増えてきており、ビジネスで利用できるレベルになってきたのです。第4次産業革命の始まりだと鼻息荒い人々もいます。

第3次人工知能ブームが起こった背景

人工知能のアルゴリズムの進化以外にも、いくつかの要因が同時多発的に関係しています。簡単にキーワードだけ。

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人工知能が学習するための膨大なデータを集められるようになってきた

IoT: 泣いている顔文字、ではありません笑。Internet of Things:モノのインターネットの略。要は色々なモノがインターネットに繋がり、そこから情報を吸い上げることができるようになってきました。

ビッグデータ: 通常では処理できないほど膨大なデータやその処理方法のこと。ちょっと呼び方を変えただけで流行語大賞候補に躍り出ましたね。

モニタリング技術: データを観測・取得する技術ですね。センサーと言ってもいいかもしれません。

高速ネットワーク技術: 膨大なデータを高速にやり取りできなければ話が始まりません。

大量ストレージ技術: やり取りしたデータを保存できなければ話が始まりません。

膨大なデータを短時間に処理し、有益な知識として抽出できるようになってきた

計算機の進化: CPUやGPUによる演算スピードの進化だけでなく、スパコンやグリッドコンピュータなど並列処理の進化も劇的です。

データマイニング技術: 膨大なデータの中から無駄を省くだけでなく、新たな知識を抽出できるなんて賢いです。

人工知能強者は確定的も勝者は未確定

人工知能の開発にはカネがかかります。そして、この分野の第一人者はかなり限られています(上の日経記事によれば世界で900人ほど)。カネのある企業(グーグル、マイクロソフト、フェイスブック、IBM、アマゾンなど)が実力者を囲い込み、膨大な開発費を投入して突っ走るという動き。既に大勢は決しているという状況です。

しかし、いくら素晴らしい人工知能を開発できたとしても、「それを何に使うのか」「その結果どんないいことがあるのか」という部分に魅力がなければ、再びブームは終焉するでしょう。そして、その部分は「カネのある企業」には中々思い付かないかもしれません。

AlphaGoにしても、名人を打ち負かして凄いね~!!それで?誰がAlphaGoを買うの?となるわけです。もちろん技術力の宣伝効果を狙っているのですが。ビジネスにどうやって結びつけるのか、ここはカネのない企業にもチャンスがあるでしょうね。

ちなみにGoogle Brain(グーグルによって開発された人工知能)はここまで来ているようです。左側のモザイク画像を入力すると、人工知能が推定した元画像として中央の画像が出てくると。右側が正解の画像だそうで。https://arxiv.org/pdf/1702.00783.pdf

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今後に期待ですが、この技術が完成した暁には、モザイク除去システムとして某国で大いに売れるかもしれません笑。

人工知能は万能の神ではない

ブログ記事を書く場面を想像してください。あなたが「今日はこのネタで行こう」とテーマだけ用意したら、人工知能が適切なキーワードを選定し、過去記事を参考にあなたらしい文章を作成し、必要な画像も探してきて記事を完成する。こんな時代がやって来るかもしれません。教科書みたいな記事を書かせると一級品でしょう。

しかし、そんな記事ばかりでは面白くないですよね?私が好きな「著者の内面を曝け出した記事」「アツい想いを綴った記事」「嬉しさ爆発の記事」なんて人工知能には絶対書けないです。人工知能は「心」を手に入れることはできないんです。多分必ずきっと・・・(希望的観測)。

こんな人工知能搭載〇〇氏が欲しい!

上記を踏まえた上で、こんなことできたらいいな~と思うことリスト。リストになるほど思いつきませんが汗。

  • たまに担当している家事(掃除、洗濯、片付けなど)担当〇〇氏
  • ポイントサイトを巡回して最適な案件をこなしてくれるポイ活担当〇〇
  • 眠たいだけで何も決定しない無意味会議に出席してくれる代返担当〇〇

 ・・・

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私じゃなくてもできるだろと思う雑用係を求めているようです笑。これではカネのある企業にスカウトされないな・・・

でも、私は雑用以外を〇〇氏に譲るつもりはありません。迷うのも人生、悩むのも人生、最適プランを選択できないのも人生です。旅行プランくらい自分で考えさせてくれ!それが楽しいんだから!

あなたなら人工知能に何を求めますか?

コメント

  1. kumagoromi より:

    なぜか絵にツボってしまいました…笑
    私も自己研鑽がてらにこの辺りのことを調べることがあるのですが、やはり技術の進歩は凄まじいですね。
    ポイ活担当をさらに進化させて陸マイル製造担当がいるとより心強いですね。

  2. maiching より:

    ツボっていただきありがとうございます笑 あ!今日は火曜日ですよ!エリザベス号出るかな〜是非録画設備を導入ください笑

  3. FlyingBunny より:

    ペッパーくん・・・笑
    でもほんとそうですよね!とくに旅行プランは悩んで考えあぐねてこその楽しみがありますもんね( ´ ▽ ` )
    私もそこは奪われたくないなあ〜と思いました。
    それにしてもドクターMさん、本当頭がいい・・・尊敬してしまいます。

  4. maiching より:

    ペッパー君の名誉のため?怖くないやつを探してみました笑
    それにしてもバニーさん、私を買いかぶりすぎです( ´∀`)
    その内化けの皮が剥がれますから〜
    重い腰を上げ、やっとシドニープランを考え始めました♪
    楽しいけど動き出すのが遅すぎて、今週末出発とは思えぬとっ散らかりっぷりです(≧▽≦)

  5. chantam より:

    こんばんは。とても勉強になりました。人工知能という言葉を良く聞くけれど、具体的にはなんだろうと思っていました。なるほど分かりやすい記事をありがとうございます!私は、忙しいときに子供の遊び相手をしてくれるロボットが欲しいです(笑)

  6. maiching より:

    こんばんは!コメントありがとうございます(*^^*)
    お子様が人工知能ロボットに何で?とエンドレスで聞いたらなんて答えるか見てみたい気もします笑

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