賃金テーブルから給与、賞与、退職金を弾いて会社人生の年収カーブを描いてみた。総合職と一般職の賃金格差や適正な業績評価について一考。

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暮らし

前置き

先日TVを観ていると、街行く人に「あなたの年収いくら?」と聞いたら答えてくれるかという企画をやっていました。東京とは違い、大阪の方々はためらいもなく答えます笑。私は以前大阪に住んでいましたが、そんな文化だったっけ?と思いながらも楽しく観ていました。

かつて社宅に住んでいた頃には、奥さま同士の会話で収入の話になることも結構あったとか。そんな時は、「主人しか知らない」とか「お宅と同じくらいだと思うよ」などと適当に答えていたようです。久しぶりに旧友に会えば、高確率で話題に上るネタかもしれません。とにかく他人の収入が気になる人は多いようです。

私は、面と向かって他人の収入を聞いても何の足しにもならん、色々な面で気分が悪くなることはあっても良くなることはないという感覚です。しかし、本やブログならば話は別です。どちらかと言えば好物かもしれません笑。

他人のことはともかく、自分自身が将来的にどのくらいの収入になるのか、管理職に出世したらどうなるのか、退職金はどうなのかはできることなら知っておきたいですね。人生設計も変わってきます。就活中の学生さんならば、本音では最も知りたいことかもしれません。

会社員の場合、社員に賃金テーブルが公開されているケースは多いのでしょうか。私が勤める会社では、役員報酬を除く賃金テーブルが、管理職限定で公開されています。意外に単純な制度なので、電卓を弾く程度で会社人生の賃金カーブ、年収カーブを描けますし、生涯賃金だって試算できちゃいます。というわけでリアルなテーブルを用いて電卓を弾いてみましたので、煎餅でもかじりながら見てください。

結果として、試算する過程でも、試算結果を見ても、色々考えさせられることになりました。

(日本の企業は特に)基本的に賃金は年齢と共に上がる年功序列的な部分を残しつつも、各自の業績をできるだけ反映させる制度になっています。しかしその業績評価自体が適正なのかを賃金を受け取る側が検証する術はありません。言われるがままってやつですね。その辺の話をひとつ。

また、大卒を対象とした総合職と、高卒を対象とした一般職の間にある賃金格差の現実を知ることにもなりました。ただ、だからどっちが良いという話ではありませんので悪しからず。

賃金試算の条件

会社のスペック

事業規模、社員数ともにまずまず大きい会社です。例えば東証一部上場企業を想定してください。ただし、外的な要因(為替とか資源とか天候とか)で業績が乱高下することがあり、その影響で賞与の浮き沈みが激しいです。ここでは、ちょっと極端ですが、会社の業績がずっと良いケース、ずっと普通のケース、ずっと悪いケースで試算します。

階級制度

会社組織はピラミッド型の階級制度になっています。各階級の名称は会社によって違うと思いますがイメージは伝わると思います。

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役員は横におきます。管理職は、局長・本部長級/部長級/次長級/課長級の4階級になっており、各階級が更に4層に分かれています。つまり全部で16層あります。

スタッフ職は、まず総合職と一般職に分かれています。総合職は4階級で各階級が11層、合計44層あります。一般職は5階級で大部分が22層、合計99層もあります。

どの階級の何層目にいるかによって、給与や賞与が変わり、退職金もこれとリンクしています。入社したら、下の層から順番に上の層に上がっていくことになりますが、層が多いほど上の階級に上がりにくいのは明白です。

ただし、1層ずつ上がっていくわけではありません。長い会社人生とはいえ、それではどう考えても最上段まで上がれませんから、普通は2段3段飛ばしで上がって行くシステムになっています。

じゃあ、なんでこんなに多くの層を用意しているのか。それは大人の事情です。稀に「普通」じゃない社員もいますからね。

給与制度

管理職

管理職の給与制度は単純で、どの階級のどの層にいるかによって自動的に給与が決まります。シングルレートと呼ばれることもあります。管理職は業務の幅も広がり、責任も重くなるので、その対価として賃金は高めです。ただし、何かあったら24時間365日対応が当然という精神の下、休日出勤や残業を給与に反映させるという概念はありません。それも折込済の給与だからねという感じです。

スタッフ職の総合職から管理職に昇格するのが基本路線ですが、一般職からの昇格も稀にあります。全社員の約10%が管理職に就いています。

スタッフ職

スタッフ職の給与制度は管理職よりも複雑です。総合職は、どの階級のどの層にいるかに加えて、年齢も考慮して給与が決まります。一般職は、さらに経験値も考慮して以下のように計算します。

給与=本給(年齢)+職能給(どの層にいるか)+経験給(経験値)

本給テーブルが年齢毎に、職能給テーブルが階級・層毎に、経験給テーブルも階級・層毎に用意されています。ちなみに給与に占める本給の割合は約40%、職能給は約60%、経験給はごく僅かです。また、休日出勤や残業があれば給与に上乗せされます。

賞与制度

夏と冬の賞与は、半期毎の各自の業績評価に基づいて計算されます。業績評価が決まると賞与を計算するための5段階の係数が決まります。この試算では評価は「普通」なので、5段階の真ん中です。賞与は以下のように計算します。

賞与=給与x係数+階級別支給額

よく年間賞与△ヶ月分と聞きますが、想定する△ヶ月分になるように係数を決めているとも言えます。大抵は評価が「普通」の人の賞与が△ヶ月分になるようになっていて、評価が高い人と低い人では3割程度差が付けられる場合もあります。

また、うちの社は会社の業績が確定する期末に、経常利益とリンクした賞与が支給されます。管理職に対するインセンティブはここで調整されます。つまり、大きな利益が出た時には管理職向けの賞与が祭りになります。夏冬の賞与とは別に、期末賞与が10か月分なんて年もありました。一般職にもそれなりに支給されますし、業績が悪い場合は支給されません。

業績評価(人事考課とも言う)

上記から、全ては「どの階級のどの層にいるか」で決まることが分かります。そして、「あなたはこの層だからね」というのは業績評価で決まります。では、業績評価はどのようにされているのか?これがかなり謎です。

各層には人数の枠があるので、「誰をどの層に当てはめるか」を決めるためには、何らかの指標が必要です。その指標が業績評価に基づく社員の序列なのです。業績評価は社員の序列を決めるためにやると言っていいでしょう。

大まかな流れは、以下の通りです。

  1. 各部署長(例えば部長)は階級毎に部下の序列を決めて、人事部に提出。
  2. 人事部は階級毎に全部署の各人の序列を集計。
  3. 各部の部長以上が集まって、集計した序列を最終化。→「誰をどの層に当てはめるか」が決まる。

1.について

普段から部下の様子を見ているならば、ある程度適正な評価が可能でしょう。しかし、適切にマネジメントできる部下の人数は一桁までと言われています。数十人以上の規模の部署であれば、部長だけで適正な評価ができるとは到底思えません。当然、次長や課長から聞いた評価を考慮することになるでしょう。

また、業績が客観的な指標で評価できない場合(そのような場合が大多数)、部下に対する印象や先入観で決めてしまうことも往々にしてあるでしょう。仲の良いお偉いさんに、どうやって評価を決めているのか聞いたことがあるのですが、その答えは「そんなの、そいつがイケてるかどうかだよ。直感で分かる。」・・・そんなので人生決まっちゃうんですか?汗

2.について

もしかすると人事部が評価を決めて、人事権を握っていると思っているかもしれませんが、実態は全く違います。通常業務で人事部と接することはほぼ無いので、彼らに業績評価なんてできません。また、誰をどの部署に異動させるか、昇格させるかという人事権は部署長やその上席が握っています。人事部はあくまでも全体の調整役、裏方という感じです。

3.について

このステップが一番謎です。例えば、他部署の序列3番より、自部署の序列4番の方が上だ!とか議論するんですよ?何を根拠に?って話です。会ったこともない他部署の人と、そもそも違う仕事をしている自部署の部下をどうやって同じ土俵で評価するのでしょうね?業績が客観的な指標で評価できないとすると、部長の力や声の大きさで決まってしまうとか。せつないですね。

業績評価について思うこと

業績評価と賃金をリンクさせるならば、適正な業績評価が行われることが大前提です。社内では評価しやすいように業務の成果を数値化せよと声高に叫ばれています。しかし、数値化できない仕事も多々ありますし、そもそも色々な仕事をやっている社員を同じ土俵で評価することはかなり無理筋だと思います。かと言って完全に年功序列の制度では、やる気を無くす社員も出てくるでしょうし難しいですね。

ひとつ可能性があるとすれば、評価する側のスキルアップです。例えば二人の評価者がある人の業績を評価した場合に、必ず同じ評価結果となるように、評価のレベル合わせの訓練を徹底的にする。

その程度の努力もせずに、業績評価だなんだと権力を振りかざすのはやめていただきたい。盛んに導入されている「目標管理」という制度は、プロセス管理や成果主義という側面がクローズアップされますが、実は評価する側のスキルアップツールという役割もあると思っています。

ただ、現実はまだまだなので、成り上がるために力のある部長に擦り寄ろうというのは分からんでもないです。それだって立派な処世術です。私は与えられた制度の中で生き抜くためには、誰の目にも明らかな圧倒的な業績を残すしかないと思っていますがね。

退職金制度

退職金って給与や賞与よりも把握しにくいと思います。会社によって違うとは思いますが、うちの社は毎年計算した退職金を積み重ねる方式です。各年の退職金の計算方法は以下の通りです。

各年の退職金=勤続点+階級点+業績点

勤続点は会社にいれば付きます。
階級点はその年の階級に応じて付きます。
業績点は半期毎の評価に応じて付きます。

これらを退職する年まで足し合わせていきます。つまり、各年にどの階級にいてどんな評価を受けるかによって変動するので事前に計算するのが難しいです。ここでは、普通の出世コースで毎年普通の評価という前提で試算します。

試算の対象社員

高卒の一般職として入社したA君大卒の総合職として入社したB君の賃金カーブを試算してみます。両名ともそれなりに優秀で、スムーズに昇給・昇進していくものとします。話を簡単にするため賞与向けの評価は常に「普通」とします。

試算結果

一般職A君(会社業績普通)のケース

若手時代

18歳で入社した年、初任給は16.5万円でした。月に20時間ほど残業すると残業代は2.1万円ほど。会社は「普通」の経常利益を上げており、賞与は年間99万円(6か月分)。したがって年収は322万円(16.5×12 + 2.1×12 + 99)になります。毎年0.5万円ほど昇給があるので、毎年10万円ほど年収が増えていきます。

27歳の時、初めて階級が上がりました。すると給与は22万円に。前年からは1.2万円のアップです。やはり階級が上がると昇給も大きいです。同じく月に20時間残業すると残業代は2.8万円ほど。給与が上がると残業代の単価も上がるんですね。賞与は132万円でこの時の年収は430万円になります。

年収400万円を超えると住宅ローンの選択肢が格段に増えるという証言があります。階級が上がると毎年の昇給も0.8万円ほどに増えました。次の階級アップまでこつこつ頑張ろうとやる気が漲ります。

中堅時代

35歳の時、階級が上がりました。給与は29万円、賞与は174万円、年収は567万円です。

43歳の時、また階級が上がりました。給与は35.5万円、賞与は213万円、年収は693万円です。同期会があったので、皆に給与の話を聞くと、半数はまだ昇給していませんでした。A君の出世街道は順調なようです。

ベテラン時代

51歳の時、最後の階級アップがありました。この階級は世間一般では係長級と呼ばれているものです。給与は42.3万円、賞与は254万円、年収は825万円です。定年までこの階級の中で過ごし、人生最高年収は880万円となりました。

まとめ

生涯獲得賃金は26,543万円≒2.6億円?!これとは別に退職金2,300万円も戴きました。

会社人生を振り返ると、特殊技能を要する仕事一筋42年で腕を磨いた結果、周りからは職人・親方などと呼ばれ、重宝されました。転勤は一度も無く、私生活では生まれ育った地元で親兄弟や昔からの友人の近くで幸せに楽しく暮らせています。親から譲り受けた土地に家を構え、あまり贅沢はできませんが、たまに海外旅行に行ったり、車を維持するのは問題ありません。

なお、賃金は半分以下になりますが、65歳まで働いてほしいと会社からお願いされています。どうしてもA君の職人技が必要なようです。昔から身体を動かし続けているので、健康状態に問題は無く、小遣い稼ぎにもなるので引き受けることにしました。

最後に会社業績が良いケースと悪いケースも含めてグラフ化してみます。全体的になだらかな右肩上がりになっていて、子育て世代の30代後半からの賃金が少し盛り上がります。定年前の数年間はほとんど昇給はありません。

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総合職B君(会社業績普通)のケース

若手時代

22歳で入社した年、初任給は21万円でした。月に20時間ほど残業すると残業代は2.6万円ほど。賞与は126万円、年収は410万円です。

3年目の24歳の年、大学の同期が院卒で入社してきました。大卒3年目のB君と院卒1年目の新人君に待遇の違いがあるのかがとても気になります。調べてみると同じ待遇だったので、安心して先輩風を吹かせます笑。

25歳の時、早くも階級が上がりました(院卒君も同じタイミングで昇給)。給与は24.6万円、前年からは0.8万円のアップです。残業代は月に3.1万円ほど。賞与は148万円、年収は480万円です。毎年の昇給は0.9万円ほど。同期で飲みに行くと、給与=年齢x1万円の壁を中々超えられないねという話になりました。

28歳の時、またしても階級が上がりました。給与は30.4万円、賞与は182万円、年収は592万円です。ついに年齢万円の壁を突破できました。しかし、喜んだのもつかの間、地方への転勤を言い渡されました。結婚を考えている彼女がいたので、どうしようかと悩んだ末にプロポーズしました。彼女には仕事を辞めてもらい、一緒に地方で暮らすことになりました。

しかし、夫婦とも全く縁のない土地だったので、知り合いはゼロ。私生活は常に一緒に過ごします。たまに職場の飲み会があると、妻の機嫌が悪くなるので、飲み会も欠席しがちになります。結婚式や新生活の準備等々で貯金は底をつきました。

32歳の時、社内試験を経て、係長級に上がりました。同期の半分程度がこのタイミングで上がったようです。給与は38.5万円、賞与は231万円、年収は751万円です。まだ子供もおらず、貯金残高はぐんぐん増えていきます。将来的に家を建てたいと思っているものの、いつどこに転勤するか分からないので踏み切れません。そうこうしている間にまた転勤を言い渡されました。人間関係をイチから再構築です。

中堅時代

37歳の時、管理職への昇格&転勤を言い渡されました。課長級です。このタイミングで昇格したのは、同期の1/4程度です。徐々に昇格の網の目が小さくなってきたことを実感します。

また、これまで加入していた労働組合から脱退すると、労働ストのために貯めていた資金を組合から払い戻されました。最新のiPadが買える程度ですが。同時に残業代が無くなることを知ります。

しかし、給与は51万円、賞与は383万円(7.5か月分)、年収は995万円と大幅増です。スタッフ職より賞与の月数が多いんですね。転勤先の部署では、新プロジェクトのリーダーを任されました。後進の指導、プロジェクト管理、外注先との折衝、上司への相談・報告など多忙を極めます。

私生活では待望の子供が生まれましたが、早い時間に帰宅できるのは稀なため、妻はかなり大変です。地元を離れているので親に助けてもらうことも難しく、近所に知り合いもいません。家族が増えたのを機に、街の一等地にマンションを買いました。この地に永住する可能性は低いので、将来少しでも手放しやすいようにと考えてのことです。住宅ローンの審査は全く問題ありませんでした。

43歳の時、次長級に昇格しました。給与は60万円、賞与は450万円、年収は1,170万円。会社がそこそこの業績を出せれば年収1,000万円超が当たり前という状態に入りました。このタイミングで昇格した同期は数えるほどしかいません。かなり選抜しているようです。しかし、何を基準に選抜しているのか、見当もつきません。

仕事は超多忙で、数年後にまた転勤を言い渡されました。家をゲットすると漏れなく転勤するという都市伝説は顕在のようです。子供は小学生になりこの街を気に入っているようだし、子供を介して妻のママ友も増えています。悩んだ末に単身赴任することにしました。

ベテラン時代

50歳の時、部長級に昇格しました。同期で2人だけでした。他の同期はずっと課長級で停滞していたり、次長級の下の方で苦しんでいたりと様々です。給与は69万円、賞与は518万円、年収は1,346万円。

管理職になって感じたのは、入ってくる情報の質の高さ、量の多さです。一般職には伏せられた本音情報が飛び交います。今の世の中、情報弱者はかなり致命的です。情報を取捨選択して、適切な次の一手を決める能力こそがマネージャーに求められる能力かもしれません。

私生活では子供が私立中高に通い出し、大学進学は既定路線です。教育資金が必要なので収入増は有難い限りです。単身赴任での懸念事項は毎日の食事です。社内外問わず、飲み会が多いので、健康状態がかなり心配です。

57歳の時、社員の最高峰である局長・本部長級に昇格しました。B君の他に同期は誰もいません。給与は82万円、賞与は615万円、年収は1,599万円です。会社の業績が良い場合は年収2千万円を超えて確定申告が必要になります。若い頃、毎年のように確定申告が必要な方へというアナウンスを見て、そんな対象者がいるはずないだろうと思っていましたが、まさか自分にその可能性が出てくるとは夢にも思いませんでした。さて、役員になることはなく、このまま定年を迎え、人生最高年収は1,775万円となりました。

まとめ

生涯獲得賃金は40,802万円≒4億円?!退職金は3,600万円でした。会社人生の半分以上を管理職として過ごし、収入面で困ることはありませんでした。さんざん出てきた課長級や部長級などの階級は、賃金を決定する上でのランクです。これとは別に、実際に◇◇課長や△△部長という役職に就いてからは、部下のマネジメントが主な仕事になり、はっきり言って楽しくありません。やはり実際に手を動かして仕事をする方が時間を忘れて仕事に没頭できる性格だったようです。

結局、43歳から定年まで単身赴任で過ごしました。会社から65歳まで来てくれと言われましたが、自宅でゆっくり暮らしたいし、10年以上も実質的な仕事をしていない自分に何ができるだろうと考え、断ることにしました。長年の不摂生が祟ったのか、体調もよくありませんし。

ところが、自宅に戻ってみると、周囲に誰も知り合いがいないことに気付きます。仕事人間だったので、特に趣味もありません。ゴルフはやりますが、そもそも一緒にゴルフに行く人がいません。振り返ると、何をするにも会社関係者と一緒だったんですね。子供も無事に大学を卒業するし、マンションを売って地元に帰ろうかと思い始めています。

先日、定年を機に学生時代の友人と一席設けました。中には脱サラ起業が成功して、一桁多い収入を得ている者もいます。もちろんそこに至るまでの苦労は半端なかったようですが。これ以上の収入を望むならば、会社員で成り上がるという作戦では太刀打ちできないことを定年後に知ったのでした。

最後にグラフ化してみます。全体的に右肩上がりで傾きはあまり変わりません。3年~5年ピッチでいびつな形をしている箇所がありますが、そこで階級が上がっています。特に管理職に昇格した際の上がり方が大きいです。最後まで昇格しきれば定年まで賃金カーブは上がり続けます。

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A君とB君の比較、まとめ

二人の賃金カーブを重ねてみます。会社業績が良いケースと悪いケースです。傾きがかなり違うので、賃金格差は歳を重ねるほどに広がっていきます。会社の業績が良い場合のインセンティブにもかなりの差があります。これが賃金格差の現実です。

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しかし、どちらの会社人生が幸せかと問われると、正解はありません(ちょっと例題が極端すぎたかもしれませんが)。地元に根差して、安定した人間関係の中で堅実に過ごすのもよし、私生活を犠牲にしながらも自身の能力を信じて業績を重ね、成り上がっていくもよし。

試算を通して分かったことは、賃金カーブは業績評価にかなり依存しているということです。今回示した両名は、かなり順調に出世街道を歩んでいますが、現実はそれほど甘くありません。昇給にも昇格にも影響甚大な業績評価が適正になされることを切に願います。

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