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ドクターMの家造りのすすめ

伝統工法、無垢の木、竹子舞、漆喰、いぶし瓦の家の主より

屋根の材料にはどのようなものがあるでしょうか。屋根材の選定においてはライフサイクルコストも重要です。

roof tile

屋根の材料と言われて何を思い浮かべますか?
瓦・・・ですか?一口に瓦と言っても色々あります。どのような材料を選択するかによって屋根のコストだけでなく、家の構造や耐震性、メンテナンス計画などが変わってきます。もちろん見た目の印象も変わってきます。代表的な屋根の材料の特徴を挙げてみたいと思います。

 

粘土瓦

粘土を成形して焼き固めた材料です。瓦と言えば通常は粘土瓦のことを指します。釉薬で塗装する釉薬瓦、塗装しない無釉瓦(素焼き瓦)、無釉瓦をいぶして炭素被膜をつけたいぶし瓦があります。形も様々でJ型(和風な形)、F型(平らな形)、S型(洋風な形)などがあります。

roof tile variation

石州瓦、三州瓦、淡路瓦は日本三大瓦と呼ばれています。我が家は淡路瓦のいぶし瓦のF型を採用しています。我が家の屋根の仕様や工期は下記リンクで確認できます。

www.doctor-m.net

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長所

非常に耐久性が高く、棟部の漆喰以外は数十年間(50年以上?!)メンテナンス不要と言われています。たしかに、私の実家(平成元年築)の屋根には石州瓦を使っていますが、築25年目に初めて漆喰部分を手直しした(漆喰部にカビが生えていたため)以外は、2016年時点でノーメンテナンスで特に異常なしです。

また、粘土瓦は色や形のバリエーションが多いので、好みのデザインに仕上げることができます。和風にも洋風にも合い、特に和風の場合は重厚感を出せます。初期投資は比較的高価ですが、メンテナンス費用も含めたライフサイクルコスト(生涯にかかるトータルコスト)はお得だと思います。

短所

重量がある(1平米当たり約42kg)ため、家の構造、骨格を強固にする必要があります。寒冷地では割れなどが発生する可能性があるため、お住まいの地域で採用できる瓦を選定する必要があります。

その他

雨水の排水を考慮して、屋根勾配は4/10以上が推奨と言われています。屋根が重いと耐震性が悪化するというステレオタイプの声が聞こえますが、屋根が重い分構造を補強しているので、むしろ耐震性が高い場合もあるのでは?と私は考えます。地震や台風の際、ニュース等で瓦がずれるという状況を見かけます。しかし、最近は震度7の地震でも瓦がずれないように、瓦同士を噛み合わせて固定する施工方法(防災施工)が採用されています。

スレート

セメントと繊維を固めて塗装した薄い板状の材料です。少し前(2005年)までは繊維に石綿を使用していたようですが、もちろん最近は石綿は使用していません。カラーベストやコロニアルという単語を聞いたことがあるかもしれませんが、これらはスレートの商品名です。

長所

軽量(1平米当たり約17kg)で安価、施工も容易なため、コストを抑えることができます。特に低価格住宅で多用されています。

短所

比較的短期間(10年程度)でメンテナンスが必要になります。主観的ですが、デザイン性が低いと思います。

その他

屋根勾配は3/10以上が推奨されています。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%から成る、アルミ亜鉛合金めっき鋼板です。アルミニウムの特徴である耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性と、亜鉛の特徴である犠牲防食機能により、従来の鋼板よりも、さらに耐久性に優れ、あらゆる用途に対応できる画期的な鋼板です。

ガルバリウム鋼板 - 日鉄住金鋼板株式会社

よく聞く「ガルバリウム鋼板」は新日鉄住金鋼板株式会社の商品名なのです。金属屋根の一材料の商品名が、金属屋根の代名詞になる、こんなことはよくあります。デファクトスタンダードですね。ガルバリウム鋼板は屋根だけではなく、壁の材料としても、現在もっとも注目されている建材かもしれません。技術革新により、金属材料の弱点を克服しつつあるのです。

長所

軽量(1平米当たり約6kg)で加工性がよく、和風から洋風まで多彩なデザインに対応可能です。

短所

通常のガルバリウム鋼板は、金属材料の弱点である防音性、断熱性、耐食性に難があります。これらの短所は技術革新により克服されつつありますが、その場合はコストが上昇します。

その他

仕事柄、接する機会があるのですが、日本の鉄鋼メーカーの技術は素晴らしいと思います。今後、建材の選択肢としてかなり期待が持てる材料だと思います。なお、我が家の屋根や壁にはガルバリウム鋼板を採用していませんが、雨樋はガルバリウム鋼板です笑

ガラス瓦

昼間でも電気を点けないと暗い部屋。どのように計画してもできてしまうことがありますよね。そんな時、救世主になり得るのがガラス瓦です。屋根瓦の一部をガラスの瓦に変えることで採光を得る仕組みです。我が家でもサンルームの天井にガラス瓦を検討しました。しかし、最終的なプランではサンルームを無くしてしまったので、採用には至りませんでした。

ガラス瓦と天窓の違いに簡単に触れておきます。ガラス瓦は通常の瓦と同じ形状で材料がガラスなだけなので、デザイン的に違和感がありません。ただし、採光が目的なのでガラス瓦越しに外の景色を眺めるという使い方はできません。天窓は規格品を屋根に取り付けるので、天窓が付いていることは明らかに分かり、デザインの好みは分かれます。採光だけでなく、外の景色(空?)を眺めることや窓を開けて通風も可能です。

興味がある方は下記リンクをご参考に。

ガラス瓦採光システム | か行, ガラスシステム・ユニット | 旭硝子のGlass Plaza

おまけ

友人に瓦葺き職人がいます。彼曰く、直接依頼してもらえればお安くできるのに、ハウスメーカー経由だと中間マージンが取られるので施主や瓦葺き職人にとってよろしくない状況だと。本来であれば、施主が支払う金額=瓦葺き職人の経費+材料費であるところ、ハウスメーカーの中間マージンを施主and/or瓦葺き職人が負担するという話です。しかし、仕事量を確保するためにはハウスメーカーと懇意にせざるを得ないというジレンマ。我が家の建築費を抑えた秘訣はこの辺のカラクリにあります。その話はいずれまた。